推薦・AO入試が6割に拡大?早稲田大学の入試改革は本当に正しいのか

投稿日:2018年3月31日 更新日:

 日本国内有数の名門大学・早稲田大学が2016年度からAO・推薦入試での募集割合を4割から6割に引き上げました。

このニュースがインターネットを中心に広まると、学力低下を加速させるのではとマイナスな声が多く上がりました。

その後も、今年2018年度入試から「地域貢献型人材発掘入試(仮称)」を導入予定と新たな入試改革を実行する早稲田大学ですが、この試みは学生の学力問題にとって良い影響を与えるのでしょうか。

早稲田大学が推薦入試枠を増やした理由は成績

世間一般的には、学力試験をメインとしないAO・推薦入試をネガティブに捉える声が多く、多くの大学ではAO ・推薦入試にも学力試験を導入すべきだと言われています。

実際に、学力を測る制度を導入する大学も数多く存在し、これから推薦入試への変化が注目されています。

そんな推薦入試の変化を求める一方で、早稲田大学が今まで学生の約4割だったAO・推薦入試枠を6割まで引き延ばすと決定したのは、今から3年前(制度が導入されたのは2016年度から)です。

この大幅な変革に対しては、多くの国民から驚きの声が上がりました。

「早稲田どうしちゃったの?」という声を中心に、名門大学の学力低下が心配されるようになりました。

そもそも、この入試改革の理由は私たちが思っていることとは大きく異なるものでした。

早稲田大学では、AO・推薦入試にて入学した学生の方が大学内での成績が良かったことからこの引き延ばしにつながっており、大学の創立150年を迎える2032年まで引き続き拡大される予定です。

大学に対するやる気と熱意が成績につながった

AO入試は、大学への入学を心から志願し、大学の考える理想の学生像に該当する生徒を選抜する受験方式なので、十分納得のできる理由だと思います。

AO入試の次に学業成績が良かったのは推薦入試で入学した学生で、早稲田大学では世間的に懸念される「学力問題」は例外と考えられています。

今年度は、新たに地域貢献型人材発掘入試を導入される

大きな反響を呼んだ早稲田大学の入試改革ですが、今年度受験する生徒を対象に新しい「地域貢献型人材発掘入試」という入試制度が導入されます。

地域貢献型人材発掘入試は仮名称ですが、地元地域への貢献に高い意識を持つ生徒を対象とした試験となっており、日本全国が対象です。

この背景には、過去30年間に関東圏外からの学生の数が1割程度減少したため、地方からも多くの学生を取り入れたいという早稲田大学の意図が読み取れます。

初年度である今年は若干名でスタートし、地元地域への貢献度を尺度として学部・学科との相性を図りながら、学力については大学入試センター試験を参考に選抜していきます。

入試改革は正しい道なのか

AO・推薦入試を廃止すべきだという声がある中、各入試に学力試験を課すべきだという意見が多くあり、一般入試を重視する流れになりつつあります。

実際、大学の教育現場の関係者が学生の学力低下を懸念しています。

早稲田大学が行なっているAO・推薦入試枠を増やすという入試改革は世間的な対策とは違って、早稲田大学での学業成績の結果は ’’例外’’ だと考えられています。

自ら強い志望動機や高い計画性を持って入学するAO入試組は、一見、早稲田大学のような結果になるように思えますが、実際はそうはいきません。

学生の中には、大学入学後も高いモチベーションを維持しながら優秀な成績を収める学生もいるでしょうが、ほとんどが高校時代の勉強時間の不足から大学に遅れを取ってしまう傾向にあります。

AO・推薦入試が決定する秋から高校卒業までの期間は時間以上に大切で、大学で有意義な時間を過ごすための重要な準備期間なのです。

その約5ヶ月~6ヶ月の間に、一般入試組は大学で役に立つ知識をどんどん身につけていく一方で、AO・推薦入試組は果たしてどうでしょうか。

AO・推薦入試を否定するわけではない|まとめ

大学入学のためにいろいろな制度があるのは、大学と高校の両方にとって非常に良いことだと思います。

どんな入試制度を利用して入学したにせよ、通う大学や学部は同じですよね。

ただ、いずれの入試制度で入学したにしても、大切なのは大学の授業にしっかりとついていくための能力を身につけることです。

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